2012年5月27日 (日)

南島

後藤明『南島の神話』(中公文庫)を読みました。南方の島々に伝わる神話が日本神話とかなり似ていることは知っていました。しかし、これほど似ているとは思いませんでした。明らかに日本人の源流の一つは南の島々にあります。その他、性交と排泄に関わる神話に他の国々や地域とは異なる特色があるように感じました。

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夫婦同居

北山茂夫『柿本人麻呂論』(岩波現代文庫)を読了。あまり面白い本ではありませんが、人麻呂に非常に興味が湧いてきました。宮廷歌人というようなイメージしかありませんでしたが、プレイボーイ的な資質やモーツアルト的な天才肌の人物のようなイメージに変わってきました。妻問い婚のこの時代に夫婦同居スタイルを実践した可能性があるという指摘にも興味津々です。

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クサナギ

佐竹昭広『古語雑談』(岩波新書)を読みました。古くは万葉集、近いところでは江戸後期まで日本人が使ってきた言葉についてのエッセイです。興味深い話ばかりなのですが、とくに「草薙の剣」の話は目からウロコでした。もともとはヤマタノオロチの体内から出てきた「天叢雲の剣」がその後、草を薙うエピソードで名前が変わるわけですよね。しかし、佐竹氏は違うと言います。古代に蛇はナギと呼ばれていたそうです。そして、今も方言で毒蛇であるマムシはクソヘビと呼んでいる地方があるそうで、この二つを組み合わせるとクソナギとなります。つまりクサナギです。力のある蛇の剣という意味でクサナギと元から呼ばれていたのではないかという説です。

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2012年5月24日 (木)

オリンポス

ロバート・グレイブズ著、椋田直子訳『抄訳ギリシア神話』(PHP新書)を読みました。ギリシア神話はさまざまな文章を理解する上でのいわば教養なのでこういうハンディな本は役に立ちます。有名なものだけをピックアックしてくれているみたいです。それにしてもギリシアのオリンポスの神々はほとんど人間と変わらないではありませんか。嫉妬深く、ケンカも多いし、かなり理不尽なことを人間にしています。しかも、神様のくせにすぐに人間の女に手を出します。

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2012年5月23日 (水)

最北の地

豊田穣『北洋の開拓者 郡司成忠大尉の挑戦』(講談社)を読了しました。郡司大尉は千島列島を探検し、さらにそこを開拓した人です。寒さとの戦い、水腫病との戦い、密猟者との戦い・・・こうした苦難に「国」の為、自分の人生のためにあえて飛び込んでいく人が明治時代にはたくさんいたんですね。この最北の地に日本人の礎が眠っているんです。私たちはこれらの先人の偉業を簡単に忘れては行けないと素直に思います。

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2012年5月19日 (土)

人間の迫力

上坂冬子『「北方領土」上陸記』(文春文庫)を読了です。北方領土返還運動に関係する人たちの人物群像です。北方領土の絵本を作った人、危険を顧みずに何度も島に戻った肝っ玉母さん、命がけで登記簿を持ち出した公務員、90歳で島の私有地訴訟を起こした老人、日本で最初に返還を唱えてマッカーサーに直訴した男・・・などなど。人間の迫力を感じた一冊です。

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猪谷千春

山県泰三『千島物語』(東陽書房)をイッキ読みでした。それぐらいわかりやすい文体で興味深いエピソード満載です。著者は元学校の先生です。難しい外交の話や返還の根拠、元島民の方の心についてだけでなく千島列島の面白いネタがいくつも紹介されています。例えば、冬季オリンピックのアルペン競技・スラロームで銀メダルを取った猪谷千春選手は国後島出身です。感動すると同時に北方領土の入門書として最適だと思いました。

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第二条C項

渡邉明『われら千島・南樺太を放棄せず』(国民会館叢書23)を読みました。骨太な領土論です。北方領土返還の最大のポイントがサンフランシスコ講和条約の第二条C項にあることを明確に示しています。氏はこれは履行不能の欠陥条約なので破棄すべきだ、と強調しています。これを破棄することで状況に変化が生まれるだろうという認識です。

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呪いの人形

桜井徳太郎『霊魂観の系譜』(講談社学術文庫)を読みました。いわゆる「呪いの人形」のようなものがどうして生まれたのか?どうやら初期の段階では「呪い」のためでなく魂の遊離や帰着のためのアイテムとして使われたのではないか、というのが著者の見解です。なるほどなあ、と思いました。また、折口信夫と柳田国男の霊魂観をそれぞれわかりやすくまとめてくれています。

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イアーゴー

シェイクスピア・福田恒存『オセロー』(新潮文庫)を読みました。シェイクスピア四大悲劇の一つです。いかなる高潔の士も「嫉妬」という怪物によっていとも簡単に人生を台無しにしてしまうという少々辛いお話です。「嫉妬」のエネルギーはスゴイものです。何もかも手に付かなくなってしまいますから。悪人イアーゴーに対しては残酷、冷酷などの言葉が思い浮かびますが、じつは人間の心理をとことん知り尽くした冷静な観察者とも言えましょう。

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«びしびし