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2009年7月

2009年7月27日 (月)

象のゾ

田中克彦『言語学とは何か』(岩波新書)を読みました。これは言語学者人物列伝みたいな本です。ソシュール、ブルームフィールド、ウォーフ、チョムスキー、シューハルト、マル・・・なんかかっこいい名前が並んでいます。この本によれば、そもそも言語学という学問そのものが新しいものであり、学問としての独り立ちにかなり時間がかかっているらしいんですよ。言ってみれば昆虫採集や植物採集のように言葉を採集して分類してというようなフィールドワークとして始まったものが、ソシュールによって他の分野から独立した学問としての体裁を整えられたようなんです(この理解でいいのかな?間違っているかもしれませんが・・・)。ソシュールやチョムスキーなんという学者の名前は聞いたことがありますが、この本でおおよその位置づけがわかりました。言語学にとって重要な研究対象は「音」なんですが、知ってましたか?日本語の「象」の「ゾ」と「インド象」の「ゾ」は実は違う読み方をしているんです。日本人は知らず知らず使い分けているんですがね。

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2009年7月22日 (水)

倉澤栄吉①

『倉澤栄吉国語教育全集1 国語単元学習の開拓』(角川書店)を読了です。最近、国語教育について関心があり、いろいろ読んできました。この際、誰か一人の著作集を読んでみようと思い立ったんです。倉澤栄吉氏を選んだのは、じつはこの人に直接会ったことがあるからです。赴任2校目の職場で講演してくださったのが氏です。その後、別の研究会でパネラーとして参加していたのも聴きました。話がかなり面白かったという記憶があります(だが、内容の記憶は断片的です・・・情けない)。この1巻は、戦後間もない「新教育」華やかりし頃の論文が多いのが特徴です。アメリカの受け売りではなく、社会科のマネではない、日本の国語教師による単元学習の構築を訴えています。とくに、借り物の理論でカリキュラムを作るのではなくて、現場の実際から学習指導を充実させることが肝要だと述べています。

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2009年7月20日 (月)

時代のエネルギー

西郷信綱・永積安明・広末保『日本文学の古典 第二版』(岩波新書)を読みました。これも40年前に書かれた本なので、もしかしたら内容的には不足なところがあるのかもしれません。中学。高校と古文を勉強する時間というのはありましたが全体的に俯瞰するとこういう位置づけになるのだということが少々、理解できました。王朝文学から説話もの、平家物語へと続くあたりが日本の文学のあけぼのと考えてよいようです。それから、江戸時代の井原西鶴の著作などはじつに面白いです。江戸時代そのものを感じます。文学は個人の作業によって完成されますが、その時代のエネルギーを吸い取って成立しているのだと改めて思いました。

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2009年7月18日 (土)

猟人のドキドキ

本日、所属しております「朗読の森」の5周年記念発表会がありました。今回はいつものホームグラウンドではなく門前仲町の門仲天井ホールで行われ、私は以前にやった『貧の意地』の主役・原田内助と竹久夢二の小品『春』の猟人をやりました。「原田」はまあ以前にもやりましたからそれなりに楽しんでできましたが、『春』の方は今回はセリフを完全暗記で本を見ないでの朗読となりまして・・・・緊張しっぱなしで心臓バクバクの発表会となったわけです。この猟人はウサギを助けようとする少年にまんまと騙されるトンマな奴なんです。この少年役とのセリフの応酬が面白いんです(とは言っても私のセリフはほんの少し)。なんとか乗り切りましたが、柱の陰で出番を待っているときの心臓のドキドキは・・・・。まるまる1年ぶりの発表会でしたが、やっぱりこの緊張感がいいのかなあ。

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2009年7月12日 (日)

60年前

桑原武夫『文学入門』(岩波新書)を読みました。これって初版が1950年なんです。ほぼ60年前の本です。ですから、かなり時代を反映した背景が読み取れます。マルクス主義の影響ってほんとに大きいですよね。でも、桑原氏の文章はたいへんわかりやすくてこういう文章を書けるようになりたいと思ったほどです。とくに、各章の最後に「要約」という一章を設けてわかりやすくしてくれているのは読者にとってすごくありがたい構成です。文学に対する基本的な考え方を頭の中で整理することができました。

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三浦言語学

三浦つとむ『日本語はどういう言語か』(講談社学術文庫)を読了。言語学って難しいですね。でも、普段あまりにも当たり前に使っている言葉をこうやって詳細に分析してみせるというのはとにかく凄いことです。もっと丁寧に読まないと完全に理解するのは難しいです。三浦氏は時枝誠記の言語過程説をより発展させて独自の言語論を構築しています。ですから、まずは時枝氏の言語論を理解しないと本当にはわからないのだと思います。「言語の二重性」とか「観念的な自己分裂」と言ったキーワードが三浦言語学の重要なポイントのようですが・・・機会が在ればもう一度読み直してみたいと思っています。

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2009年7月 7日 (火)

装飾音声

金田一春彦『話し言葉の技術』(講談社学術文庫)を読みました。これってかなり古い本で、元本は昭和31年刊です。ですが、50年も前に書かれた本とは思えないほど具体例が満載で面白い内容です(ただし、本文中に使われている具体例にはかなり昔の人名が出てきますよ)。「話し言葉」の要素をわかりやすく整理してくれていて非常に役に立ちます。私が興味を持ったのは「表現の工夫」という章です。ここに「装飾音声」と「表情音」「模写音」「象徴音」という分類で話し言葉の表現の仕方を分類しています。ここが興味深かったですね。私がやっている朗読にも関連する分野で、ちょっと頭の中がすっきりした気分です。

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2009年7月 1日 (水)

福沢諭吉

福沢諭吉『学問のすすめ』(岩波文庫)を読了です。これ読むの2回目です。読み返すといい言葉がたくさんあることに気づきます。「今」の日本を見るときに大切な視点が示されていますね。とくに、「天は人の上に人を作らず・・・」の冒頭の一文ばかり有名ですが、あれだけだと諭吉の思想をまったく誤解することになります。最低でも「初編」は読むべきでしょう。では、いくつか引用します。「身も独立し家も独立し天下国家も独立すべきなり」「自由独立の事は、人の一身に在るのみならず一国の上にあることなり」「人民もし暴政を避けんと欲せば、速やかに学問に志し自ら才徳を高くして、政府と相対し同位同等の地位に登らざるべからず」

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