アニメ・コミック

2008年12月 4日 (木)

少年時代

惣領冬美『チェーザレ破壊の創造者』(講談社モーニングKC)第6巻をイッキ読みです。このシリーズはいつものことながらほんとうに面白いです。ストーリーもですが、ルネサンス期の中世ヨーロッパがいきいきと伝わってくるからです。第6巻は、少年時代のチェーザレ・ボルジアと側近ミゲルの出会いが描かれています。イタリア人の愛人を母として生まれたチェーザレ、孤児として育てられたユダヤ人・ミゲルの2人が互いに指からしたたる血を見て「同じ人間だ」と語り合うシーンはいじらしく泣かせます。これほどの深いつながりをもつ2人はいつかは互いを理解できずに別れていくのでしょうか?そこに主人公・アンジェロがどう関係していくのか・・・いろいろと伏線が重なっています。

| | コメント (0)

2008年9月28日 (日)

中世世界の青春

惣領冬美『チェーザレ破壊の創造者』(講談社モーニングKCDX)の1~5巻まで読みました。すでに、このブログで一度紹介した漫画です。最近第5巻を買ったので、ついでに1巻からもう一度再読しました。面白い!じつに。この漫画を読むと、当時のヨーロッパ中世世界の雰囲気がよくわかります。教会と世俗、キリスト教とイスラム教、貴族と庶子、貧と富・・・これらがない交ぜになって揺れ動いているのが中世ヨーロッパです。それを背景にして、主人公のチェーザレ・ボルジアらが生活するピサ大学での学生生活が描かれています。現代の大学と非常に似ていることに驚きますが、同時に、この時代特有の習慣をはじめとしてそこに息づく学生の感情や思考も伝わってくるところが面白いですね。作者は相当に勉強して描いているであろうことが巻末の参考文献を見ていてもよくわかります。

| | コメント (0)

2008年8月 7日 (木)

デスノート

原作大場つぐみ・漫画小畑健『デスノート』(集英社ジャンプコミック)全12巻を読み終わりました。これって2年前ぐらいにブレイクした漫画です。今さらですが読みました。物語は、そこに名前を書けば人を殺すことができるデスノートが死神といっしょに舞い込んでくるところから始まります。このノートでキラとなった夜神月(やがみらいと)と謎の捜査官L(エル)の頭脳対決が展開するのですが、デスノートのさまざまな使用ルールがその後のストーリーの展開を面白くしています。このデスノートのルールをどう利用するかが対決のポイントなんです。ただ、なかなか展開が複雑なのでときどき読み返さないとわからなくなりますよ。

| | コメント (0)

2008年7月 9日 (水)

あらためて金はコワイ

青木雄二『ナニワ金融道』(モーニングKC)を5巻まで読みました。主人公の灰原さんが悩みながらも金貸しとして一人前になっていくお話です。金貸しと一口に言ってもいろいろありますが、この漫画に出てくる帝国金融はいわゆるサラ金です(もっとコワイ金貸しもいるんですが)。読んでいると「お金ってコワイなあ」と正直に思います。私なんぞはそもそもお金に最も縁遠い仕事をしていますので、この世界は本当に未開の地です。しかし、商売を生業にしている人たちにとって、とくに自営業の方などは難しい選択を迫られるのでしょうね。読んでいると「やめろ!借りるな!」と心の中で叫んでしまいます。その人物の設定がいい人だったりすると読んでいて辛くなります。ちなみに・・・約束手形の裏書きって怖いんですね。関西弁の世界がこの漫画の世界をよりリアルにしているような気がします。

| | コメント (0)

2008年6月 3日 (火)

牛の環境破壊

玉井雪雄『IWAMARU/動物診療譚』(小学館ビッグコミックス 全9巻)を再読しました。弟に薦められて数年前に読んだ漫画ですが、どういう心境かまた読みたくなりました。主人公の獣医・岩丸はこう喝破します。「生き物に唯一、他の生き物がしても許されること・・・それは・・・「食べること」これだけです。かわいがったり、飾ったり、治したりは本来、邪道です。」薄っぺらな動物愛護思想の持ち主に聞かせたやりたいことばです。とくにグリーンピースだのシーシェパードとかいう連中はこの漫画の角に頭ぶつけて・・・と言いたいぐらいですね。この中でも2巻のオランウータンをテーマにした「セルフコンシャス」と牛がテーマの8巻の「ウェルカム・トゥ・アンダーグラウンド」は衝撃です。みなさん、地球環境に最も悪影響を及ぼしている動物が牛だということを知っていますか?ハンバーガー1個の牛肉のために9平方㍍の熱帯雨林が牧草地として切り開かれ、破壊されているんです。

| | コメント (0)

2007年3月17日 (土)

チェーザレ

ここのところ、仕事に振り回されて何にも読んでいませんでした。で、ちょいと寄った本屋で見つけました。面白いマンガを。惣領冬実『チェーザレ 破壊の創造者』(講談社)です。1巻と2巻まで出ています。チェーザレ・ボルジア・・・この名前は聞いたことはありますが、どんな人物かは全然知りませんでした。めっちゃ面白いです。前に紹介した『ヒストリエ』と同じく言ってみれば「西洋史の栄光なき天才たち」なんでしょうか?まだ途中なのでわからないんですが。興味深いのは当時の大学の様子です。「政治」や「統治」「民衆」などについて現代人なんか足下にも及ばない高度な議論がなされていることに驚きを覚えます。さらに、コロンブスやダ・ビンチなども登場してどんどん話は広がりと深まりを増しています。続きが楽しみです。

| | コメント (0)

2006年7月15日 (土)

久々の15巻

江川達也『日露戦争物語』15巻(小学館ビッグコミックス)。久々にこのシリーズを買いました。ずっと楽しみに読んでいたんですが、ストーリーの展開と江川氏の絵にやや疲れてしまってしばらくお休みしていたんです。久しぶりに読んだけど面白かった。いま、ちょうど日清戦争のところで黄海海戦のまっただ中です。読むと、当時の海戦の様子が理解できます。そして、指揮官の戦術と度胸そして運が勝敗を分けていたことがよくわかります。なんだかまるでサッカーの試合みたいです。このころは、人間性が戦争の勝敗にも影響していた「よき時代」だったのではないかな?と思いました。最近、北朝鮮のミサイル問題に端を発して「先制攻撃論」についての議論がTVでもよく行われるようになりましたが、日本人がこの問題を語る上で日清・日露戦争についての教養は不可欠だと思いますね。

| | コメント (0)

2006年6月30日 (金)

新しい戦艦大和もの

ちょっと面白い漫画見つけました。本そういち『夢幻の軍艦大和』(講談社)です。第1巻を読みました。最初は「なんかよくある話じゃんか」と思って読み始めましたが、後半からなかなか面白くなってきました。主人公は現代の若者・上原クルスです。なぜか突然、戦争時代にタイムスリップしてしまい、そこで戦艦大和の水兵・海馬に出会います。で、こっちとあっちを行ったり来たりします。そんなこんなで、クルスは未来から来た自分の歴史知識を生かして日本海軍を勝たせようといろいろ画策するんです。山本五十六をうまくからませてリアル感を出しています。このへんから面白くなってきました。さあ、ミッドウェー海戦はどうなるのか?やや期待がふくらみます。絵が「かわぐちかいじ」にそっくりなのでたぶん弟子なんでしょうね。

| | コメント (0)

2006年6月28日 (水)

芥山先生とディベート

三田紀房『ドラゴン桜』(講談社・モーニングKC)の13巻を読みました。一時期話題となってテレビドラマ化もされた漫画です(1巻から買ってます)。今回はセンター試験攻略が主たる題材になっていて、いつものことながら知的刺激のあるセリフが満載です。その中で、国語の芥山先生が現代文の指導でこんなことを言っています。芥山先生は問題文の文章を読まなくても解答文だけで答えがわかってしまうことを証明してみせた後、こう言うのです。「問題を作った人の召使いになったつもりで答えよ」「自分の意見を言ってはいけない」そして・・・「自分で考えてはいけない」というんです。漫画を読み進むとわかるのですが、この言葉のココロは「独りよがりに考えるな」「みんなはどう思うのだろう」と考えよ、ということのようです。つまり「自分の考えを客観的に見ろ」というのが真意のようです。かなりまわりくどい説明でしたが、なかなか含蓄があるなと思いました。これはディベート的な思考と同じです。必ず複数の観点から考えてみる(相手の反対意見の根拠を考えてみる)というのがディベートの最も大事なポイントですから。一人でセルフディベートが出来るか、出来ないかとというのが真理を見つける力を持っているかどうかの分かれ目ですね。

| | コメント (0)

2006年6月10日 (土)

成瀬うた

なかなかいい漫画を見つけました。さそうあきら『神童』(双葉文庫)です。帯に書いてある作者の言葉には「この漫画は「音」が主人公です。大好きな音楽を音で表現するのではなく、エピソードとして表現していく漫画を目指しました」とあります。確かにその通りの期待に違わぬ作品でした。ストーリーはありがちなパターンだけど、正攻法でひとつの世界を展開するこういうさわやか漫画は久しぶりでした。まるで、古きよき時代のアメリカ映画を見ているようです。「グレンミラー物語」や「5つの銅貨」を見ているような感じなんですよ。天才ピアニストの少女・成瀬うたと音大をめざす若者・菊名和音との心の通い合いがこの物語の核ですが、いろいろ出てくる脇役が面白い。とにかくいいお話です。手塚治虫文化賞優秀賞・文化庁メディア芸術祭優秀賞受賞作品。全3巻。

| | コメント (0)

2006年5月19日 (金)

注目の「特攻」漫画

また注目の漫画を見つけました。佐藤秀峰『特攻の島』(HC・芳文社コミックス)です。作者は『ブラックジャックによろしく』や『海猿』と同じ人です。タイトルを見て手に取り、帯を見て「回天」の話だと知り、さっそく買い求めました。『ブラック・・・』の人なので薄っぺらなことはないだろうと・・・かなり調べてから書くだろうと予想してます。また、『海猿』を書いてそこから「若者と犠牲的精神」の関連で海上保安庁→自衛隊→日本海軍→特攻と行き着いたのでしょうか?いずれにしろ注目です。まだ1巻目だけなのでなんともいえませんが、かなり取材しているようです。核になるエピソードも「回天」関連だけでなく佐久間艇長の話のパクリと思われるエピソードもあり、かなり広く調べている感じです。でも、これがきちんと戦争の本質を突く話へと突き進むか?それとも、ありきたりの左翼的なエセ平和主義の話でお茶を濁すか?まだわかりません。

| | コメント (0)

2006年5月14日 (日)

エウメネス

しばらくぶりで面白い漫画を見つけました。岩明均『ヒストリエ』(講談社アフタヌーンKC)です。3巻まで出ています。この人の漫画は以前読んだ『寄生獣』というややデイープな作品で知っていましたが、予想通りの面白さですね。舞台は古代の地中海世界。主人公はエウメネスという少年です。まだ謎の多い導入ですが、少しずつ物語の輪郭が見えてきました。アリストテレスやアレキサンダー大王など歴史上の著名な人物との接点も楽しみです。この主人公はどうやら実在の人物らしく・・・世界史に詳しい人なら知っているかも。物語はエウメネスの出生がひとつのカギ、「世界」をとらえようとする当時の思想が二つ目のカギ、地中海世界の覇権争いが三つ目のカギのようです。

| | コメント (0)

2005年9月25日 (日)

あしたのジョー

最近、ちばてつや・高森朝雄『あしたのジョー』全12巻を講談社漫画文庫で揃えました。昔、古本屋で講談社のコミック20巻揃ったやつを買ったことあるんですが(今は実家にある)、それとは別に揃えちゃいました。読み直してまた感慨を新たにしています。少年時代に読んだときは、少年院とか鑑別所というものがあること、いいジャブは風を切る音がすること、そしてボクサーの減量の厳しさを知りましたねえ。力石が水を飲もうとすると蛇口に針金が巻いてあるコマは小学生には衝撃でした。当時は漫画に出てくるネリカンとかクロスカウンターとかそういう言葉がなんかかっこよくて・・・きっとみんなそうだと思うなあ。で、いま読み返すと「男」矢吹丈と「女」白木葉子の「男と女」の物語だってことに気づきます。力石戦以来、ジョーの試合には必ず葉子がいます。命を燃やし尽くそうとするジョーと命をできるだけ長らえさせようとする葉子の対比がこの漫画の核だと思います。

| | コメント (0)